事業承継・M&Aを失敗しないための注意点第3回「チェンジオブコントロール条項(COC)」
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事業承継・M&Aを失敗しないための注意点、第2回では、「秘密保持の重要性」を解説しました。
《前回記事》 |
今回は「チェンジオブコントロール条項(COC)」についてご説明していきます。
聞きなれない単語かと思いますが、M&Aを実行する上で、必ず確認しなければならない論点です。
M&A実行後、特に買い手に多大な影響をもたらしますので、今回の論点はしっかり押さえていただきたい部分です。
また、売り手についても、自社においてチェンジオブコントロール条項(COC)の有無を確認した上で、買い手に情報を開示するようにして下さい。
事業承継・M&Aを失敗しないための注意点、第3回目は、「チェンジオブコントロール条項(COC)」を、解説致します。
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チェンジオブコントロール条項(COC)
ではチェンジオブコントロール条項(COC)について解説して行きましょう。
チェンジオブコントロール条項(COC)とは?
チェンジオブコントロール条項(COC)とは、M&Aなどの理由により、契約当事者のどちらかで経営権の移転が生じた場合、商取引契約の内容に何らかの制限や、契約の解除事由が発生したり、契約の相手方に対して経営権の移転についてを、事前又は事後に、通知または承諾を得なければならないという条項です。
チェンジオブコントロール条項(COC)の目的
チェンジオブコントロール条項(COC)の目的は、商取引契約を結んでいる相手先が買収されることによる自社の技術やノウハウの流出を防ぐ事です。
例として、ライセンス契約を結んでいる相手先が競合他社に買収された場合、チェンジオブコントロール条項の発動により契約は解除され、自社の技術やノウハウの流出を阻むことが可能となります。
つまり、競合他社である買い手が、売り手の技術やノウハウに魅力を感じ買収したとしても、このチェンジオブコントロール条項(COC)が邪魔をし、見込んでいたシナジー効果が発揮できなくなってしまう訳です。
なので、買い手は売り手がどの様な内容の商取引契約を締結しているかを必ず確認する必要があるのです。
チェンジオブコントロール条項(COC)による失敗を防ぐには
チェンジオブコントロール条項(COC)による失敗を防ぐには、「1つ1つ締結している契約書の内容を丁寧に確認する」この一言に尽きます。
スモールM&Aの場合は特にそうですが、締結している商取引契約のリストを作り、全ての契約内容をつぶさに確認するようにして下さい。
上記で例に出したラインセンス契約だけではなく、金銭消費貸借契約、リース契約、不動産の賃貸借契約など商取引契約全てです。
内容としても、経営権の移転が伴った場合、契約が解除されるや事前・事後に通知や承諾を必要とするなど、各契約について内容が異なります。
これに対応するには、全ての契約の内容を確認する事が失敗を防ぐ一番の方法です。
大きな商取引契約を締結している場合は、チェンジオブコントロール条項がなくともM&A実行前には相手先に一報入れてもいいでしょう。
M&A実行後にチェンジオブコントロール条項の確認漏れがないよう、十分に気を付けるようにして下さい。
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まとめ
以上、事業承継・M&Aを失敗しないための注意点、第3回「チェンジオブコントロール条項(COC)」を、ご説明しました。
M&Aにおいて、チェンジオブコントロール条項(COC)の論点は、なかなかお難しく感じられたかと思います。
しかし、M&Aにおいて非常に重要な論点ですので、確認は疎かにできない部分です。
必ずM&Aアドバイザーに相談するか、デューデリジェンス依頼先に内容の確認とリスクについてを調査してもらうようにして下さい。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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