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事業承継・M&Aを失敗しないための注意点 第6回「M&Aにおける競業避止義務」

事業承継・M&Aを失敗しないための注意点

 

M&Aにおける競業避止義務の解説

前回の事業承継・M&Aを失敗しないための注意点 第5回では「事業承継・M&Aの失敗要因」を解説しました。

《前回記事》

事業承継・M&Aを失敗しないための注意点 第5回「事業承継・M&Aの失敗要因」

今回はM&Aにおける競業避止義務について、解説します。

M&Aにおける競業避止義務は、非常に重要な論点です。

競業避止義務は、M&A後に禁止される事項となりますので、非常に強力な条項となります。

特に売り手においては、M&A後に新規ビジネスを立ち上げる計画を立てている場合、競業避止義務に抵触しないビジネスを構想しなくてはならず、深く理解しておかなければならない論点です。

本記事を閲覧する事で、M&Aにおける競業避止義務に関する注意点を深く理解しましょう。

※本記事については、スモールM&A(小規模M&A)を前提に解説しております。

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M&Aにおける競業避止義務

M&Aにおける競業避止義務を、解説して行きます。

※解説の中に、参考記事のリンクも記載してます。併せてご覧ください。

M&Aにおける競業避止義務とは

M&Aにおける競業避止義務とは、M&Aの成約後、売り手が譲渡した会社又は事業と同様・類似した事業(競業)を行わない事を約束し、買い手が譲り受けた会社又は事業に不利益を与えることを避ける(避止)義務の事です。

M&Aにおける競業避止義務の必要性

M&Aの競業避止義務により、契約書に明記した期間において、売り手は譲渡した事業で営業活動をする事はできなくなります。

これについては、M&Aの実務上、非常に重要な事項であり、譲渡契約書には必ず盛り込まれる条項となります。

なぜならば、この条項を省いてしまうと買い手は安心して会社や事業を譲り受けることができないからです。

売り手は、譲渡する会社や事業を何十年も経営しており、経営ノウハウを長い歴史の中で確立し、顧客、取引先、従業員等との関係性を築いてきました。

極端な話し、譲渡後に売り手が同様・類似した会社を設立する事はさほど難しくなく、譲渡した会社や事業の強力なライバルとなり得ます。

つまり、買い手にとっては、非常に脅威になるのです。

買い手は、経営ノウハウや、顧客、取引先、従業員等にシナジー効果を見出しM&Aを実行します。

にもかかわらず、ノウハウの流出や、顧客、取引先、従業員の引き抜き等が行われれば、買収した意味がないどころか損害まで出てしまいます。

M&Aにおける競業避止義務は、これらの弊害を避け、取引の安全性を保つために必要となるのです。

M&Aにおける競業避止義務の期間

M&Aにおける競業避止義務の期間は、売り手と買い手の合意で自由に設定する事が可能です。

事業譲渡については、譲渡契約書に競業避止義務の条文がなかった場合でも、売り手は原則20年間(特約により最大30年間まで延長可能)、競業避止義務を負う旨、会社法に明記されています。

ですが、M&Aの実務上、20年間の競業避止は長期となるため、相互協議し別途競業避止義務の期間を設定する事が一般的です。

スモールM&Aにおいては、株式譲渡、事業譲渡又はその他の譲渡スキームに関わらず、3~5年間が一般的で、長くても10年ほどです。

《参考記事》

スモールM&Aとは?

マイクロM&Aとは?

事業承継・M&Aを失敗しないための注意点 第4回「株式譲渡と事業譲渡の注意点」

M&Aスキームとは?

M&Aにおける競業避止義務の範囲

M&Aにおける競業避止義務の範囲についての取り決めは非常に重要です。

ここでいう範囲とは、「地域範囲」と「事業(業務)範囲」です。

地域範囲については会社法上、「同一・隣接市区町村」の範囲となりますが、遠隔地であっても競業する可能性があれば、範囲は拡大して設定すべきです。

特にネット社会の現代、世界中どこからでも商品やサービスを提供する事は可能ですので非常に難しい論点となりそうです。

また、事業(業務)範囲についても、どこまでを認めず、どこからは許容するなど明確に取り決める必要があります。

売り手は、競業避止期間は同じビジネスが行えない事は前述の通りですが、類似をどうとらえるかが、論点となります。

売り手がM&A後に、同じ商材は取り扱わないものの、代替商材となり得るならば、買い手にとっては脅威となるので禁止する方向で調整されるでしょう。

しかし、売り手がM&A後に、新規事業の立ち上げ計画している場合、譲渡する事業と100%干渉しない事業を設計する事は難しい事で、売り手の自由度を制限しすぎるとM&Aの成約自体が危ぶまれてしまいます。

これについても、非常に難しい論点であり、売り手、買い手が綿密に協議しながらお互い納得のいく「範囲」を決定する必要があります。

 

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まとめ

以上、事業承継・M&Aを失敗しないための注意点 第6回「M&Aにおける競業避止義務」を、ご説明しました。

本記事では、M&Aにおける競業避止義務の期間と範囲についても解説しました。

この点、譲渡契約に明文化する際、自由度の高い箇所となりますが、必ず明記されるべき重要な条文となります。

自由度が高い分、条件調整は難しく、両者間で綿密な協議が必要となります。

M&Aは案件ごとに千差万別で、競業避止義務の期間と範囲については、譲渡対象となる会社や事業の状況、環境、ビジネスモデル、買い手の買収後の構想などを鑑みて設定しなければならないのです。

M&Aプロセスの最終段階で、競業避止義務の条件調整が上手く行かず、交渉破断となってしまっては元も子もありません。

M&Aにおける競業避止義務の条件調整については、売り手、買い手が相互に歩み寄りながら誠実に協議し、お互い納得のいく結論を導き出すことが重要です。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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