赤字の会社でも売却できる!
|
結論から言うと、赤字の会社でも売却は出来ます。
確かに、黒字の会社と比較すれば、買い手に買い叩かれる事もあり、最悪の場合、買い手がつかない可能性もあります。
しかし、ここで重要なことは、売却できるか否かは、買い手が売却企業をどう評価するかにかかっているという事で、赤字の会社を売却出来る可能性は決してゼロではないという事です。
なぜなら、自分では売却は無理と思い込んでいるだけで、買い手から見れば、シナジー効果により黒字化が可能で、十分に投資回収が見込めると投資判断されれば、赤字の会社でもM&Aに踏み切る可能性があるからです。
「どうせウチは赤字だから売却なんてできない。」
と、自分の思い込みで諦めてしまう事は、非常にもったいない話です。
諦めずに、買い手が評価してくれるポイントをアピールし、売却可能性を高め、更に希望売却価額に近い金額で、M&Aを成約できるようベストを尽くすべきです。
では、買い手が評価するポイントとは、どのような論点なのでしょうか?
今回は、「赤字の会社でも売却できるか?買い手が評価する3つのポイントとは!?」についてを、解説します。
《関連記事》
会社や事業を高く売るには!?4つのフレームワークで自社を分析せよ! |
買い手が評価する3つのポイント
買い手が評価するポイントは以下の3つになります。
|
では、詳しくご説明してきます。
1⃣シナジー効果をアピール
どの様な企業に買収されれば、高いシナジー効果が得られるかを分析します。
例えば、
商品やサービスに独自性あり。あとは販路が拡大できれば・・・
立地の利便性を最大限に生かせれば・・・
有資格者を多く抱えており、余剰人員を友好的に活用できれば・・・
技術やノウハウに自信あり。あとはブランド力があれば・・・
等々、挙げればきりがありません。
自社を買収する事によるシナジー効果をアピールできれば、赤字企業であっても、買い手からの評価は高いものになり得るのです。
自社のシナジー効果を分析する手法としては、ビジネスフレームワーク分析を推奨しております。
関連記事があるので、是非ご覧ください。
《関連記事》
会社や事業を高く売るには!?4つのフレームワークで自社を分析せよ! |
2⃣赤字の原因は何によるものかを明確にする
どんな企業も毎期黒字で決算を迎えることは難しいもので、買い手側に回っている企業でも、創業期は赤字を経験した事もあるでしょう。
買い手としては、赤字となった原因について、よく理解しておきたいものです。
過剰に仕入を行ったものなのか?
人件費が圧迫しているのか?
特別な事象が引き起こしたものなのか?
単純に利益率が低いビジネスなのか?
など、自社の赤字の原因を追究し買い手に明確に伝えることが重要であり、買い手であればその問題を解消し、黒字にできるノウハウがあるかも知れないのです。
また、赤字であってもM&Aスキームによっては、節税が行える可能性があります。
税務上の要件を満たせれば、過去の赤字から発生した繰越欠損金を引き継ぎ、買い手の黒字分の税金を軽減させる可能性も十分に見込めます。
買い手が何度も買収を繰り返している企業であれば、節税効果についてのテクニカルなノウハウを持っている可能性もあり、逆にポジティブに受け入れられる可能性もあるという事を覚えておきましょう。
《関連記事》
会社や事業を高く売るには!?4つのフレームワークで自社を分析せよ! |
3⃣ネガティブな要因も明確に提示し、買い手の不安を解消
買い手が買収を見送る又は、買い叩く要因の一つに、
「案件の問題点(ネガティブ要因)が把握しきれない」
というものがあります。
買い手としては、どうすればシナジー効果を発揮できるかよりも、どんなネガティブ要因があるのかが興味のあるポイントであり、問題点が不鮮明となっている案件には手を出しません。
問題点を洗い出すためのデューデリジェンス(DD-買収監査)ではありますが、それだけでは全てのネガティブ要因を明確化させることはできないのです。
売り手は、今まで経営してきて発生した(又は今後発生し得る)ネガティブ情報については、当然よく理解しているので、この点を明確にし、買い手に伝えなくてはなりません。
ネガティブ要因を買い手に伝えることは、勇気のいる事ですが、買い手にとってはその要因を解消するノウハウを持っている可能性があるのです。
また、買い手が売り手のネガティブ要因を予め把握しておくことで、買収後の対策をしてくれることさえあることも知っておいてください。
この点はむしろ、売り手より分析したネガティブ要因を、洗いざらい買い手へ伝える事で、買い手からの信用も獲得できるというメリット出て来くるので、後のトラブルを避けるために明確に伝え不安を解消してあげる事が重要です。
《関連記事》
会社や事業を高く売るには!?4つのフレームワークで自社を分析せよ! |
まとめ
以上、「赤字の会社でも売却できるか?買い手が評価する3つのポイントとは!?」を、解説しました。
買い手が評価するポイントを3つ挙げてご説明しましたが、つまるところ、
「自社の良い点、悪い点を分析し、経営状況を徹底的に洗い出し、買い手に深く理解してもらう」
ことが、買い手への一番のアピールとなります。
残念ながらM&Aが成約しなかったとしても、自社分析を改めて深堀したことにより、今まで気づかなかった問題点が洗い出され、それを解消する事が出来、自力での黒字化を達成する可能性も出て来ます。
赤字会社だからと言っても、諦めずに全ての可能性に賭けてみる事で、道は必ず開けるのです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
他の関連記事もご覧いただけますと幸いです。
《関連記事》
会社や事業を高く売るには!?4つのフレームワークで自社を分析せよ! |
弊社へのご意見・ご感想をお待ちしております。
いつもアジュール総合研究所をご利用いただき、誠にありがとうございます。
今後の弊社サービスレベル向上のため、弊社サービスや投稿記事へのご意見・ご感想
または、投稿して欲しい記事のリクエストをお待ちしております。
《弊社へのご意見・ご感想・投稿リクエストはこちらのリンクよりお願い致します》