スモールM&Aで創出されるシナジー効果とは?4つの種類と事例について解説 |
スモールM&Aにおける買い手側にとって、会社や事業を買収する最大の目的はシナジー効果を得ることです。
よく弊社にも、会社や事業の購入を希望されているお客様から、「とりあえず、事業規模が小さくてもいいから利益の出ている会社や事業をなんでも紹介して欲しい」というご要望をいただきますが、それが理由だとスモールM&Aの最大のメリットは得られません。
シナジー効果を見込める先の買収ではないと、投資回収期間が延びるだけではなく、失敗に終わる可能性さえあります。
では、スモールM&Aにおけるシナジー効果とはどのようなものなのでしょうか。
今回は、スモールM&Aにおけるシナジー効果について、ご説明します。
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スモールM&Aにおけるシナジー効果とは
スモールM&Aにおけるシナジー効果とは、ある会社や事業が合わさる事によって単体で得られる利益よりも、多くの利益を獲得しかつ、単純な総和ではなく、それ以上の成果を創出させるという意味です。
つまり、会社や事業を購入した際、買い手の利益に、売り手の利益が単純に加算されるだけではなく、お互いの強みや特性に化学反応を起こし、総和以上の利益を生み出すことです。
では、スモールM&Aにおけるシナジー効果の種類についてご説明します。
スモールM&Aで創出されるシナジー効果 4つの種類と事例
スモールM&Aにおけるシナジー効果の種類は主に4種類あります。
事例も踏まえてご説明します。
販売シナジー
販売シナジーとは、販売チャネルを共有する事によって販売領域の拡大、売上増を狙い、共有箇所のコストの削減に相乗効果を生み出すことです。
《事 例》
販路を共有する事によって、これまで販売してこなかった地域や客層に、商品やサービスを提供する事での売り上げの増加や、広告宣伝などのセールスプロモーションにかかる費用、営業費用などの削減を達成! |
生産シナジー
生産シナジーとは、生産ラインを共有する事によって生産性の向上と効率化を行い、商材の生産力アップと生産コストの削減に相乗効果を生み出すことです。
《事 例》
生産ライン、ノウハウの共有を行うことで、生産効率のアップや、遊休設備の再活用も可能となった。また、生産設備や物流の共有により、コストの削減も達成! |
投資シナジー
投資シナジーとは、研究開発のノウハウを共有する事によって、研究開発力の向上と開発期間の短縮、コストの削減に相乗効果を生み出すことです。
《事 例》
共同開発を行うことで、研究開発のノウハウの共有だけではなく、人的リソースの確保も可能となり、新たな研究開発チームのもとで、今まで開発できなかった商品の開発にも踏み切れた。さらに、開発時間の短縮、開発コストの削減も達成! |
経営シナジー
経営シナジーとは、経営ノウハウを共有する事によって、新たな経営戦略の立案や、経営ノウハウのマネージメントによる子会社の経営力強化に相乗効果を生み出すことです。
《事 例》
経営ノウハウの共有を行う事で、新規事業や新規地域への参入計画の立案・実行が可能となった。 |
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まとめ
以上、スモールM&Aで創出されるシナジー効果を、4つの種類の解説と事例も踏まえてご説明しました。
スモールM&Aにおけるシナジー効果については、どの文献やサイトを見ても小難しく感じる事でしょう。
しかし、端的に言うと、
スモールM&Aにおけるシナジー効果とは、会社や事業が一つになる事によって、売上の増加、コストの削減、経営効率の向上、生産性のアップ、利益倍増を達成、そして経営基盤を盤石なものとする! |
この一言に尽きます。
ここで、注意していただきたいのは、冒頭もお話しした通り、ただ単純に会社や事業を買収することによる、目先の利益の獲得だけに目を向けてはいけないという事です。
一つになる事によって、どういった相乗効果が創出されるかを様々な観点から分析し、どうしたら足し算ではなく、掛け算で利益を積み上げることが可能となるかを考える事が大切なのです。
また、スモールM&Aを実行することによるリスクもあります。
シナジー効果を分析する事は、リスク回避にもつながるのです。
スモールM&Aを検討する際は、利益多寡や希望売却価格だけを意思決定の材料にするのではなく、シナジー効果も十分に考慮し決断する事が重要なのです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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