中小M&Aガイドライン(第3版)遵守の宣言について

M&Aアドバイザーの重要事項説明書とは!?

中小M&Aガイドライン

M&Aアドバイザーの重要事項説明書とは!?

小規模M&Aアドバイザーが徹底解説

M&Aアドバイザーの重要事項説明書の内容を見てみよう! 小規模M&Aアドバイザーが徹底解説!

直近の投稿として、「中小M&Aガイドライン」「M&A支援機関に係る登録制度」、「M&Aアドバイザリー契約書の内容」について解説して参りました。

【参考URL】

中小M&Aガイドラインとは?小規模M&Aアドバイザーが徹底解説

M&A支援機関登録制度とは?小規模M&Aアドバイザーが徹底解説

中小M&Aガイドライン(第3版)遵守宣言とは?

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M&Aに関するトラブルと回避策

M&Aアドバイザリー契約書の内容とは!?

弊社は、「M&A支援機関登録制度」に、登録されたM&A支援専門家です。

登録支援機関データベース

中小企業庁「M&A支援機関に係る登録制度」への登録について

中小M&Aガイドライン(第3版)遵守の宣言について

前回は、「M&Aアドバイザリー契約書」の解説でしたね。

M&Aアドバイザーと「M&Aアドバイザリー契約書」を締結する際、「M&A支援機関に係る登録制度」に登録されている専門家であれば、「重要事項説明書」の説明も受ける事となります。

そこで、M&Aアドバイザーとの契約締結時に説明を受ける、「重要事項説明書」についても、皆様に知っておいていただきたいと思います。

各M&Aアドバイザーにより、契約書名や契約内容は異なりますが、「中小M&Aガイドライン」の要件を満たした内容の重要事項説明書である事が望ましく、これに基づいた「重要事項説明書」を解説していくため、今回は「中小企業庁⇒中小M&Aガイドライン」のHPにある「(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル」を例に、「重要事項説明書」解説して行きます。

M&Aアドバイザーの重要事項説明書の内容

M&Aアドバイザーの重要事項説明書を見てみよう!

まずは、「重要事項説明書」の内容を見てみましょう。

「中小企業庁⇒中小M&Aガイドライン」のHPにある「(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル」をご覧ください。

▼「中小企業庁」ホームページ
「中小M&Aガイドライン」
「(参考資料7)各種契約書サンプル」
「(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル」

「(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル」を開いてみると、P1に「M&A仲介契約/FA契約」と、ありますね。

「重要事項説明書サンプル」として、「M&A仲介契約/FA契約」どちらにも対応可能な内容となっております。

「M&A仲介契約/FA契約」どちらを締結するかを、M&Aアドバイザーに確認の上、重要事項の説明を受けるようにして下さい。

前段部分の内容をみると、

M&Aの仲介契約又はFA契約の内容等について、中小M&Aガイドラインに基づき、次のとおり説明します。
(乙)
商号又は名称:
代表者   :
住所    :
連絡先   :

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

となっており、導入部分は一般的な形式ですね。

こちらの部分はサンプルですと、説明者の情報のみが記載されていますが、説明を受けた方の情報も記載する場合があります。

この点、各M&Aアドバイザーで異なりますので、確認するようにしましょう。

※ちなみに弊社の「重要事項説明書」は、説明者と説明を受ける方の情報記載とご捺印をいただくようにしております。

では、次のセクションより(1)から順に解説して行きます。

(1)仲介契約とFA契約の違いと特徴及びこれから締結しようとする契約

(1)仲介契約とFA契約の違いと特徴及びこれから締結しようとする契約

・仲介契約
仲介者は、M&Aの当事者双方から依頼を受けます。依頼者のM&Aの相手方(候補先を含む。)に対して、依頼者に対して提供するのと同様の業務を提供します。また、依頼者からのみならず、相手方からも手数料の支払を受けることが通常です。
M&Aの当事者双方から依頼を受けているため、いずれか一方の利益のみを優先的に取り扱うことはできないものの、双方の意向を一元的に把握し、双方の共通の目的であるM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。
・FA契約
ファイナンシャル・アドバイザー(以下「FA」といいます。)は、M&Aの当事者の一方のみから依頼を受けます。依頼者のM&Aの相手方(候補先を含む。)に対して、依頼者に対して提供するのと同様の業務を提供することはありません。依頼者からのみ手数料の支払を受け、相手方から手数料の支払は受けません。
M&Aの当事者の一方のみから依頼を受けているため、依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指し、助言や調整を行います。

貴社又はあなた(甲)と当社(乙)との間の契約類型は、以下のとおりです。
【該当する契約類型(□)に✓が入っています。】
☐ 当社(乙)は、貴社又はあなた(甲)のM&A取引の相手方となる者に対しても、甲に提供する業務と同様の業務を提供します(仲介)。その場合には、甲の相手方からも手数料を受け取ります。(仲介契約)※
☐ 当社(乙)は、貴社又はあなた(甲)のM&A取引の相手方となる者に対しては、甲に提供する業務と同様の業務を提供しません(FA)。甲の相手方からは手数料を受け取りません。(FA契約)
※ 中小M&Aガイドラインにおいて仲介者は、利益相反のリスクを最小限とするため、最低限、以下のような措置を講じることが必要であるとされています。
・ 譲り渡し側・譲り受け側の両当事者と仲介契約を締結する仲介者であるということ(特に、仲介契約において、両当事者から手数料を受領することが定められている場合には、その旨)を、両当事者に伝える。
・ バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)、デュー・ディリジェンス(DD)といった、一方当事者の意向を踏まえた内容となりやすい工程に係る結論を決定しない。依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝える。
・ 仲介契約締結に当たり、予め、両当事者間において利益相反のおそれがあるものと想定される事項について、各当事者に対し、明示的に説明を行う。また、別途、両当事者間における利益相反のおそれがある事項(一方当事者にとってのみ有利又は不利な情報を含む。)を認識した場合には、この点に関する情報を、各当事者に対し、適時に明示的に開示する。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

M&A仲介契約かFA契約についての説明となります。

M&A仲介契約の場合、利益相反のリスクについても記載がありますね。

お気をつけいただきたいのは、M&Aアドバイザーによっては、M&A仲介契約かFA契約で買い手側とのM&A交渉を進めるかは、相手方の力量を見て決定する場合もあります。

例えば、M&A仲介契約で手続きを進める予定でしたが、買い手側に既に買い手FAがいる場合などは、FA契約となるなど、その時の状況に応じて臨機応変に対応するM&Aアドバイザーもいます。

この点は、契約締結時に確認を取りましょう。

(2) 仲介業務/FA業務の範囲・内容

(2) 仲介業務/FA業務の範囲・内容

当社(乙)が貴社又はあなた(甲)に対し、M&Aのプロセスの各段階において提供する業務は、以下のとおりです。

M&Aのプロセス 提供する主な業務
バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価) 〇譲り渡し側の財務状況の分析
〇財務状況の分析を踏まえたバリュエーションの実施(時価純資産法、マルチプル法、DCF法等の複数のアプローチにより実施)
※仲介者の場合は、確定的なバリュエーションの実施はできず、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めることができる旨等も明示が必要。
マッチング 〇M&A実施に関する提案
依頼者の希望(譲渡額、取引条件等)について丁寧に聴取。聴取内容を踏まえた上での提案
〇候補者の選定・報告
依頼者の希望やM&A実施後のシナジー等も踏まえた上での候補先の探索、選定、紹介(マッチングの進捗等については遅滞なく報告)
〇企業概要書の作成・提供
譲り渡し側の事業内容、財務状況、株主・役員構成、組織図、従業員構成(正社員・業務委託の別、部署の構成等)、商流、不動産、所持する技術・特許・許認可、今後の事業の展望等について記載した企業概要書の作成・提供(情報提供にあたっては譲り渡し側の提案許可の承諾を取得し、秘密保持契約の締結等の必要な手続も支援)
〇意向表明書の作成支援
譲り受け側が譲り渡し側に提示する意向表明書の作成支援
基本合意の交渉・締結 〇交渉にあたっての論点の洗い出し・整理、条件面の交渉・調整の支援、M&Aのスキームの提案
〇トップ面談の調整(事前準備~当日の詳細な段取りのサポートを含む)
〇基本合意書の作成支援
デュー・ディリジェンス(DD) ○譲り渡し側における開示資料の整理・作成支援
〇DDの実施スケジュールの調整・管理
〇各種DD(ビジネス・財務・法務・税務)の実施又は実施支援(ただし、法務DD、税務DDについては外部の士業等専門家に委託)
※仲介者の場合は、譲り渡し側における開示資料の整理・作成のサポートやDDの実施スケジュールの調整・管理といった直接的にDDの調査内容の検討や調査を踏まえた評価・判断に影響しない範囲での支援に限る。
最終契約の交渉・締結 〇交渉にあたっての論点の洗い出し・整理、条件面の交渉・調整の支援、M&Aのスキームの提案
〇譲り渡し側の経営者保証扱いについての調整
〇最終契約の内容についての助言、最終契約に想定した条件が漏れなく盛り込まれているか等の確認(※ただし、最終的には譲り渡し側・譲り受け側双方が弁護士等への確認を依頼することを推奨)
〇最終契約締結前に行うリスク事項についての説明
クロージング 〇譲渡対価の入金の確認、必要となる株式譲渡に係る手続、登記手続その他最終契約に定めた事項の実行支援(※ただし、登記手続については司法書士等の士業等専門家に委託)
クロージング後 ○(必要に応じて)クロージング状況の確認についての事務的連絡等
その他業務(プロセス共通の業務含む。) 〇プロセス全体にわたるM&A検討の上での必要な情報提供や助言、依頼者からの質疑への対応
〇プロセスのスケジューリング・進捗管理
〇譲り渡し側・譲り受け側間の事務的な連絡も含めた調整
〇譲り渡し側・譲り受け側が行う会議・契約調印・決済への立会い

当社(乙)が貴社又はあなた(甲)に対し、提供しない業務は、以下のとおりです。
 仲介の場合、乙(仲介者)は、バリュエーション(企業価値評価・事業価値評価)、デュー・ディリジェンス(DD)といった、M&A取引の一方当事者の意向を踏まえた内容となりやすい工程に係る結論を決定することはできません。必要な場合には、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士等の専門家の意見を求めてください。

※なお、仲介業務については、中小M&Aガイドラインにおいて、M&A取引の一方当事者の意向を踏まえた内容となりやすい以下の工程について、以下の措置を講ずることとされています。
 バリュエーション(企業価値評価・事業価値算定)
仲介者は、確定的なバリュエーションは実施すべきでない。
 デュー・ディリジェンス
仲介者は、デュー・ディリジェンスを自ら実施せず、デュー・ディリジェンス報告書の内容に係る結論を決定すべきでない。依頼者に対し、必要に応じて士業等専門家等の意見を求めるよう伝える必要がある。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

M&Aプロセスごとに、M&Aアドバイザーが提供するものとしないものの記載になります。

ここでの注意点としては、マッチング方法と、企業概要書の作成の有無です。

マッチング方法は、買い手先候補の探索方法のことで、自社とつながりのある買い手先候補に交渉を打診することや、M&Aプラットフォーム(バトンズやトランビなど)で募集を募る方法があります。

企業概要書の作成の有無ですが、作成しないで買い手側と交渉するM&Aアドバイザーもいます。

また、作成はするが、作成費用として別途料金を請求するM&Aアドバイザーもいますので、この点は確認しましょう。

(3) 担当者の保有資格、経験年数・成約実績

(3) 担当者の保有資格、経験年数・成約実績

保有資格:例えば、公認会計士、税理士、中小企業診断士、弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士、その他会計に関する検定(簿記検定、ビジネス会計検定等)等
経験年数:M&Aアドバイザーとしての経験年数が〇年〇か月

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

保有資格や経験年数、成約実績が記載されます。

成約実績は、担当となるM&Aアドバイザー個人に係わる部分です。

成約件数だけではなく、どういった業種の成約だったかも質問してみてください。

(4) 依頼者が仲介者/FAに対して支払う手数料並びにその支払の条件、時期及び方法

(4) 依頼者が仲介者/FAに対して支払う手数料並びにその支払の条件、時期及び方法

【契約内容となっている箇所(□)に✓が入っています。】

着手金

☐あり

☐なし

金額/
算定方法
☐定額           円(内訳:税抜価格  円、消費税額等  円)

☐算定方法(詳細を記載)

支払条件
支払時期
支払方法
返還※
月額報酬

☐あり
☐なし

金額/
算定方法
☐定額           円(内訳:税抜価格  円、消費税額等  円)

☐算定方法(詳細を記載)

支払条件
支払時期
支払方法
返還※
中間金
☐あり
☐なし
金額/
算定方法
☐定額           円(内訳:税抜価格  円、消費税額等  円)

☐算定方法(詳細を記載)

支払条件
支払時期
支払方法
返還※
成功報酬
☐あり
☐なし
金額/
算定方法
☐定額      円(内訳:税抜価格 円、消費税額等 円)
☐レーマン方式
(報酬率)報酬基準額  ○円以下       ○%
○円超~○円以下 ○%

○円超  ○%
(報酬基準額)
☐株式価額
☐オーナー受取額(株式価額+役員借入金)
☐企業価値(株式価額+ネット有利子負債(有利子負債 - 現預金等))
☐移動総資産(株式価額+有利子負債 + その他の負債)
☐その他(詳細:           )
☐その他方式
支払条件
支払時期
支払方法

※M&Aが成立しなかった場合であっても、支払った着手金・月額報酬・中間金が返還されないことが合意される場合があり、それを記載するものです。
※本ガイドラインにおいて、成功報酬に関して、最低手数料を設定している場合や既に支払いを受けた手数料を控除して成功報酬を算定する場合は、その旨の説明が求められます。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

ここがM&Aアドバイザーによって一番変わって来る部分ですね。

着手金、中間金、月額料金、最終的なM&A報酬等、各M&Aアドバイザーによって異なります。

また、決済時期や方法も違いますし、それに応じたサービス内容も確認する必要があります。

この点は、色々なM&Aアドバイザーと、ご面談してみて比較すると良いでしょう。

(5) (仲介業務を行う場合)相手方の手数料について

(5) (仲介業務を行う場合)相手方の手数料について

【該当する箇所(□)に✓が入っています。】

・相手方の手数料の額は自社の利益に影響する可能性があります(※詳細は、中小M&Aガイドライン第1章Ⅴ4(1)②「(仲介契約の場合)相手方の手数料に関する事項について」をご参照ください。)。このため相手方の手数料の額についても意識する必要があります。
・特に仲介者の場合には、双方の依頼者に対する中立・公平な支援の提供が求められるところ、双方の依頼者から受領する手数料の額は、その中立・公平な支援を確認する上での重要な要素です(※)。
※特に典型的に問題となる場合としては、例えば、譲り受け側が仲介者に当初想定していた手数料に追加して手数料を支払う代わりに、仲介者が譲渡額を不当に低額に誘導する又は依頼者の意向に反する形で優先的にマッチングを実施するという行為があげられます。この場合、譲り受け側は追加の手数料を支払ってまで譲り渡し側とのM&Aを実現したいという意向がある以上、当該追加の手数料は仲介者に支払われる手数料ではなく、譲り渡し側に支払われる譲渡額に含まれる可能性があるものであると考えられます。なお、中立・公平な支援を行う仲介者が、追加の手数料を対価として譲り渡し側の利益に反する形で譲り受け側に便宜を図る行為は利益相反にあたり、本ガイドライン上、仲介者の禁止行為としております。

 

着手金

☐あり

☐なし

金額/
算定方法
☐定額           円(内訳:税抜価格  円、消費税額等  円)

☐算定方法(詳細を記載)

支払条件
支払時期
支払方法
返還※
月額報酬

☐あり
☐なし

金額/
算定方法
☐定額           円(内訳:税抜価格  円、消費税額等  円)

☐算定方法(詳細を記載)

支払条件
支払時期
支払方法
返還※
中間金
☐あり
☐なし
金額/
算定方法
☐定額           円(内訳:税抜価格  円、消費税額等  円)

☐算定方法(詳細を記載)

支払条件
支払時期
支払方法
返還※
成功報酬
☐あり
☐なし
金額/
算定方法
☐定額      円(内訳:税抜価格 円、消費税額等 円)
☐レーマン方式
(報酬率)報酬基準額  ○円以下       ○%
○円超~○円以下 ○%

○円超  ○%
(報酬基準額)
☐株式価額
☐オーナー受取額(株式価額+役員借入金)
☐企業価値(株式価額+ネット有利子負債(有利子負債 - 現預金等))
☐移動総資産(株式価額+有利子負債 + その他の負債)
☐その他(詳細:           )
☐その他方式
支払条件
支払時期
支払方法

※相手方の手数料が増額する変更を行う場合(例えば、マッチングした相手方に対して適用される手数料体系が上記表と異なる場合や相手方と当社(乙)の間の仲介契約の内容が変更された場合等)、増額の内容を開示します。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

M&A仲介契約の場合に記載される事項ですね。

このも、売り手側と買い手側の料金体系が大きく異なる場合は、利益相反の観点から注意が必要です。

また、相手方の料金に変更があった場合は、その相手方にも通知する必要がります。

この点、おろそかにするM&Aアドバイザーには注意しましょう。

(6) 手数料に含まれていない実費等の負担

(6) 手数料に含まれていない実費等の負担

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※依頼者(甲)が仲介者又はFA(乙)に支払う義務を負う費用のうち、手数料に含まれないもの(例:交通費等)を記載するものです。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

四角内には、旅費交通費などM&A報酬に含まれない費用が入ります。

この点も確認ポイントです。

(7) 秘密保持に関する事項

(7) 秘密保持に関する事項

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

M&Aアドバイザーとのアドバイザリー契約書に記載される事項が四角の中に入ります。

(8) 専任条項に関する事項

(8) 専任条項に関する事項

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※なお、中小M&Aガイドラインにおいて、専任条項を定める場合の留意点として、以下の点が指摘されています。
 その対象範囲を可能な限り限定すべきである。例えば、依頼者が意見を求めたい部分を明確にした上、これを妨げるべき合理的な理由がない場合には、M&A専門業者は当該依頼者に対し、他の支援機関に対してセカンド・オピニオンを求めることを許容すべきである。
 仲介契約・FA契約の契約期間を最長でも6か月~1年以内を目安として定めるべきである。加えて、例えば、依頼者が任意の時点で仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する条項等も設けることが望ましい。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

専任条項に関する事項ですね。

大抵のM&Aアドバイザーは専任条項が付きます。

専任条項に違反があった場合、罰則がある場合があるので、注意しましょう。

(9) 直接交渉の制限に関する事項

(9) 直接交渉の制限に関する事項

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※なお、中小M&Aガイドラインにおいて、直接交渉の制限に関する事項を定める場合の留意点として、以下の点が指摘されています。
・直接交渉の制限をする対象となる候補先については、「依頼者が自ら候補先を発見しないこと」及び「自ら発見した候補先と直接交渉しないこと(依頼者が発見した候補先とのM&A成立に向けた支援をM&A専門業者に依頼する場合を想定)」を明示的に了解している場合を除き、あくまで仲介者・FAが関与・接触し、紹介した候補先のみに限定すべきである。
・ 交渉の目的を依頼者と相手方との間のM&A取引に関するものに限定すべきである。
・ 直接交渉の制限に関する条項の有効期間は、仲介契約・FA契約が終了するまでと限定すべきである。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

ここも直接交渉条項に違反があった場合、罰則がある場合があるので、注意しましょう。

(10) テール条項

(10) テール条項

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※なお、中小M&Aガイドラインにおいて、テール条項を定める場合の留意点として、以下の点が指摘されています。
・ テール期間は最長でも2年~3年以内を目安とすることが望ましい。
・ テール条項の対象は、あくまで当該仲介者・FAが関与・接触し、譲り渡し側に対して紹介した譲り受け側のみに限定すべきである。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

テール条項は必ず、アドバイザー契約書に記載されます。

テール条項については、前回の記事をご参照ください。

M&Aアドバイザリー契約書の内容とは!?

(11) 契約期間及び契約の更新(期間の延長)に関する事項

(11) 契約期間及び契約の更新(期間の延長)に関する事項

契約期間

(始期)令和 年 月 日から
(終期)令和 年 月 日まで
年間
更新

※なお、中小M&Aガイドラインにおいて、専任条項を定める場合の留意点として、以下の点が指摘されています。
・ 仲介契約・FA契約の契約期間を最長でも6か月~1年以内を目安として定めるべきである。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

(11)~(14)までは、お読みいただく通りとなります。

(12) 契約の解除(解約を含む)に関する事項

(12) 契約の解除(解約を含む)に関する事項

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※なお、中小M&Aガイドラインにおいて、専任条項を定める場合の留意点として、以下の点が指摘されています。
・依頼者が任意の時点で仲介契約・FA契約を中途解約できることを明記する条項等も設けることが望ましい。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

(13) 責任(免責)に関する事項

(13) 責任(免責)に関する事項

あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※なお、仲介者・FAの依頼者に対する損賠賠償責任を修正する旨の条項を依頼者に対して説明することと、当該条項の法的な効力の有無とは別の問題であり、説明したからといって法的な効力が認められる関係にはありません。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

(14) 契約終了後も効力が存続する条項及びその有効期間

(14) 契約終了後も効力が存続する条項及びその有効期間

☐あり(以下の枠内記載のとおり)/ ☐なし

※なお、中小M&Aガイドラインにおいて、直接交渉の制限に関する事項やテール条項を定める場合の留意点として、以下の点が指摘されています。
 直接交渉の制限に関する条項の有効期間は、仲介契約・FA契約が終了するまでと限定すべきである。
 テール期間は最長でも2年~3年以内を目安とすることが望ましい。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

(15) (仲介業務を行う場合)利益相反のおそれがあると想定される事項

(15) (仲介業務を行う場合)利益相反のおそれがあると想定される事項

貴社又はあなた(甲)とM&Aの相手方(以下「両当事者」といいます。)との間において利益相反のおそれがあるものと現段階ですでに想定される事項は次のとおりです。
・一般に、譲り渡し側にとっては譲り渡す事業や会社の株式の譲渡対価はできるだけ高いほうが望ましい一方、譲り受け側はできるだけ安いほうが望ましく、両当事者間の利益が相反するおそれがあります。
・●●

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

利益相反の恐れのある事項が記載されます。

M&A仲介契約の場合、100%利益相反を防ぐことはほぼ不可能です。

この点の説明は必ず受けるようにして下さい。

(16) (譲り渡し側への説明の場合)譲り受け側に対して実施する調査の概要

(16) (譲り渡し側への説明の場合)譲り受け側に対して実施する調査の概要

当社(乙)が譲り受け側に対して実施する調査の概要は下記のとおりです。

調査項目 調査の概要
調査の実施主体 仲介者・FAの担当者・内部審査部門又は仲介者・FAの関連会社
財務状況に関する調査
調査方法 譲り受け側の財務諸表の確認
調査内容 債務超過・赤字でないか、現預金の額等、M&Aを実施できる財務状況にあるか調査する。
コンプライアンスに関する調査
調査対象 当該譲り受け側、譲り受け側経営者の他、役員、主要株主、関連会社
調査方法 Web上における不芳情報検索、社内のDB、(3)の業界内での情報共有の仕組みの確認、その他外部のDB・調査会社を活用した調査
調査内容 反社会的勢力への該当性やM&Aに関するトラブルの有無等について調査する。
事業実態に関する調査
調査方法 商業登記簿の確認、web地図閲覧による確認、事業所の訪問
調査内容 事業実態があるか、依頼者が代表者又は役員として登記されているか(M&Aについての契約締結権限を有する者であるか)等について調査する。
最終契約の実行可能性の調査
調査方法 財務諸表や預金通帳、融資証明書等の確認
調査内容 最終契約に記載する条件(譲渡対価の支払等)に関し、預貯金の額や借入を予定している場合には金融機関との調整状況の確認により最終契約を実行できる状況にあるかを調査する。
その他調査
調査方法 譲り受け側へのヒアリング、過去の依頼者である譲り渡し側からの譲り受け側に係るクレームの有無や(3)の業界内での情報共有の仕組みにおける譲り受け側に係る情報の有無の確認
調査内容 M&Aに取り組む背景、過去に実施したM&Aについて、譲り渡し側との間でトラブルに発展していないか(例えば最終契約の不履行等)等について調査する。

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

買い手側の調査内容や方法が記載されています。

サンプルでは、かなり詳細な調査事項が記載されていますが、実際M&Aアドバイザーがどのくらい調査を入れるのかは、やはりM&Aアドバイザーによって異なります。

この点も、詳細を確認するようにしましょう。

(17) (譲り渡し側への説明の場合)業界内での情報共有の仕組みへの参加有無

(17) (譲り渡し側への説明の場合)業界内での情報共有の仕組みへの参加有無

☐あり(以下の枠内記載の仕組みに参加)/ ☐なし

『中小企業庁HP:中小M&Aガイドライン(参考資料11) M&A仲介契約/FA契約 重要事項説明書サンプル』より引用

(16)の(譲り渡し側への説明の場合)譲り受け側に対して実施する調査の概要についてとつながってきますが、M&Aアドバイザーが組合や団体に加入し、情報共有をしていることもあります。

この点も確認するようにしましょう。

まとめ

以上、「M&Aアドバイザーの重要事項説明書とは!?」についての解説でした。

本編ではサンプルの重要事項説明書を例にお話ししましたが、あくまでサンプルです。

各M&Aアドバイザーにより、業務内容やM&A報酬体系が異なるため、契約を締結する際は、契約内容を「重要事項説明書」を以って説明を受けるようにして下さい。

今回の記事をご覧いただくことで、M&Aアドバイザーとのトラブルの回避につながり、売り手様・買い手様ともにお幸せになっていただけましたら幸いでございます。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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